2013年03月31日

フランスのパンク・レズビアン映画『嫉妬』

凡ジュ〜ル!レズビア〜ン!
久しぶりにレズビアンがテーマの映画をiTunesで見たので感想をば。

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『嫉妬』
原題:Bye Bye Blondie 
監督:ヴィルジニー・デパント
出演:エマニュエル・べアール、ベアトリス・ダル


見る前から「フランス映画?つまらなそう〜」とぶぅぶぅ言う彼女をなだめながら見始めたのですが、あ〜私もダメかもと途中くらいまで半開きの目をして見ていました。私事で恐縮ですが、好みのタイプの女性が1人も出てこない・・・。レズビアンがテーマの映画・ドラマだとどうしてもこの点は重要よね?The L Wordとか好みの女性が次から次から湧いて出てきてまぁどうしましょう!という状態だったのに。そんな私のレズフィルターも後半からは外されて、主人公2人の行く末や結末をどきどきして見守っていましたよ。

ストーリーは青春時代に恋人同士だったパンク少女2人が20年ぶりに再会する。
フランセスは人気キャスターとして小説家の夫と裕福な暮らしをしており、逆にグロリアは自由気ままにその日暮らしをしていた。成功後「私は同性愛者だと公表するつもりはない」とゲイの夫と生活を共にしているフランセスは、それでも夫との暮らしを「私たちは自分らしさのために戦う戦士だ」と言い、グロリアと再会するまでは短い周期で同性の恋人を作っている。夫の若くて美しい男性の恋人も登場し、夫婦はお互いを認め合って共同生活をしていたが、同じ家にグロリアが住むようになってから・・・

フランス映画のイメージ(?)にありがちな、音楽や映像に酔っていたらよくわからないうちに終わっていた、ということもなくストーリーにもきっちり落ちがあって、最後はスカッとしましたよ。

残念なのは好みの女性が1人も・・・(まだ言うか)。
でもグロリアをどこかで見たことあるな〜と思って調べて見たらば、なんとあの『ベティ・ブルー』のベティだったのね!

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同窓会で再会して衝撃を受ける経験ってこういうものでしょうか?

あんなに可愛くてスタイル抜群だったベティが・・・。
『モンスター』でシャーリーズ・セロンがレズビアン役をするために15キロ増量して贅肉をつけたエピソードを思い出したんだけど、この映画もそんな意図があったのかしら?
だとしたらレズビアンのイメージって(泣)。

それから邦題の『嫉妬』というタイトルは意味不明でした。嫉妬はテーマの軸でも隠されてもいないと思います。どのような生活が自分らしいと言えるのか、それぞれの「自分らしい」生き方を模索する映画だと思いますよ。


映画とは関係ないですが、フランスと言えば同性パートナーの存在をカムアウトしているタレントのまきむぅこと牧村朝子さんがいますね。映画の中に登場するような夫婦は、きっと日本の芸能界にもたくさんいそうですが、自分の同性パートナーを隠さずに芸能活動するまきむぅのような存在は貴重よね。
私はたまたま以前からパートナーのフランス人Kと友人だったため、こんな貴重な日本女子をフランスに連れて帰ってしまうなんてーーーーーーーと思いましたが、フランスで素敵な新婚生活を送っているようなので良かったですね末永くお幸せに〜!




posted by bianca at 22:08 | Comment(387) | TrackBack(0) | 映画・小説感想

2013年01月21日

人形との恋

今年もよろしくお願いします!

スローライフレズビアンのbiancaです。スローライフの使い方があってるのかわからないけども、いまだ気分はお正月、気持ちはティーンエイジャーです(図々しい)。

で、とっくに終わったお正月休みにブルボンヌさんオススメの『ラースと、その彼女』という映画を見ました。
アメリカの田舎に住む青年ラースと、その彼女ビアンカちゃんを取り巻く周囲とのお話でした。


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ビアンカちゃんはまさかのリアルドール

これだけ見るとどんなに馬鹿げた話かと思うかもしれませんが、とても心温まるヒューマンドラマでした。
私が今まで、同性愛者だと周りにカムアウトしたとき、もしかしたらラースに人形を紹介されたときのような衝撃・戸惑いを感じた人もいたかもしれません。カムアウトされる側の「理解できない」気持ちを理解し、理解しようと努めてくれる周りの優しさを理解することのできる映画でもありました。

優しくて純粋、女の子にもモテるのに内気なためずっと独り身だったラースが兄夫婦にネット通販で出会ったビアンカちゃんを紹介するまでの会話です。

教会仲間のお婆ちゃん「もしかしてゲイ?私は偏見なんてないわよ、私の孫もゲイだもの
ラース「ゲイじゃないよ

そしてビアンカちゃんと出会ったラース。

ラース「紹介したい人がいるんだ
兄夫婦大喜び!
ラース「ちょっと話しておきたいことがあって・・・ネットで知り合ったんだ
義姉「今の人たちはみんなそうよね!
ラース「外国の人だから英語が話せないんだ
兄「俺の会社にもいるよ。問題ない!
ラース「車椅子に乗ってるんだ
義姉「歓迎よ!



そうして紹介されたビアンカちゃんは。


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・・・・・・。

素敵な画像だったので2回載せてみました。
上の会話からもわかるように、周囲の人たちの多くはとてもリベラルで先進的な感覚を持ち、ラースの選ぶ人を尊重する気持ちを持った人たちでした。それは都会的な無関心からの許容ではなく、田舎の親密な関係の中でラースを「理解したい」気持ちを基盤として描かれています。しかし、ラースの相手はそんな彼らの想像の範疇を超えていました。
そこからどうなっていくかは映画を見て欲しいのですが、戸惑いながらもラースを見守る家族や町の人々の様子がユーモラスにとても温かく描かれていました。そしてラスト、泣けます。

しかしビアンカちゃん綺麗ですね!
あなたはリアルドールのビアンカちゃんとリアルのbianca(私のことですよ)なら、どちらを選びますか・・・?



posted by bianca at 23:05 | Comment(8) | TrackBack(0) | 映画・小説感想

2011年09月25日

ゲイ映画『あしたのパスタはアルデンテ』

ボンジョールノ!レズビアーン!
イタリア映画『あしたのパスタはアルデンテ』というゲイ映画を見てきました。

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なぜこのタイトル

「アンタ達!絶対見なさいっ!!」と私の中の小さなおすぎが叫んでいます。
やっと「トーチソング・トリロジー」を抜くゲイ映画に出会えた気がします。

全く個人的な趣味ですが、私はLGBT系の喜劇映画が好きです。ユーモアやコメディ要素がふんだんに盛り込まれた中に、人生を問いかけるキーワードが深く埋め込まれている、そんな映画。そして、家族との絆(確執)を描いた映画。そして、タイプの女性が出ている映画(結局)。

銀座という場所柄のためでしょうか。満員の会場には上品な年配の方々が多く、イカニモなゲイやオコゲ女子などレズゲイ映画祭の主役は見らレズ。レズビアンカップルも見る限りでは私たちだけのようでした。
しかし、きわどいゲイジョークにも会場大爆笑、出口では紫のお婆ちゃんが「本当に面白い映画だったわねぇ」と目を細めているのを聞いて思わず抱きしめたくなりました(迷惑)。

映画の内容は。
家族にカムアウトして勘当され自由の身になり小説家として都会で暮らすことを目論む主人公がいよいよカムアウト寸前、予想だにしなかった事態に。兄がまさかのカムアウト→父混乱→入院。仕方なくクローゼットとしてパスタ会社家業を継がなくてはならなくなる主人公。「爆弾」と言われるお婆ちゃんをキーにして、彼らを取り巻く家族の行方が描かれます。
特にお父さんは哀愁を帯び、同時にとてもキュート。
お父さんは言います。
「全然わからなかった。だってオカマは話し方や身のこなしでわかるじゃないか!お前は違う!」
そう、兄弟はイカニモではないんです。しかしこの映画にはオネエゲイも登場します。
マッチョでイカニモなゲイも、活動家風のメガネゲイも登場します。

色んなゲイがいるわけです。
しかし数少ない一部のゲイしかカムアウトできないことで、そのイメージが定着してしまうのですね。そしてそのイメージが、ますます他のゲイをカムアウトしにくくさせる。
私もたまに思います。
もしレズビアンブログを初めて見る人が検索やなんかでここに迷い込んでしまったら(こちらとしては熱烈歓迎ですが)、えっ!?レズビアンってこんななの?こんなに呑気でオタクでヤバくね?って思われる方がいるのではないかと。

違います!

レズビアンはみんながこんなんじゃありません。
レズビアンブログはそれこそ星の数ほどあるので、ちょっと検索して頂ければ見つかりますが、オシャレズブログだってシリアス系だって骨太だってロマンティックだって止まりません。
他にも、本当に色んなレズビアンがいるんです。だからお願いです。私のことは嫌いでもレズビアンのことは嫌いにならないでください!(敦子名言集より)。

話が大きく反れたのか核心部分に迫ったのかはさっぱりわかりませんが、そういうわけで(雑)、本当におすすめの映画です。
私は母を連れてもう一度見に行きたい。家族と安心して笑って泣いて見られる映画ですよ。

posted by bianca at 00:52 | Comment(11) | TrackBack(0) | 映画・小説感想

2010年06月13日

Lの世界とSATC2とスナナレと

むりやりドラマ繋がりということで。

最終シーズンがやっとレンタル開始の『Lの世界』と、今を再びトキメく『SEX AND THE CITY 2』と、前回の放送で多くのLGBTの怒りをかった『素直になれなくて』


★まず『Lの世界』最終シーズン。
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シェーン足開きすぎ

2005年LG映画祭で見てから、もう5年になるのね。そしてあのシェーン来日からも、もう2年。
老けるハズよね(私が)。
Lの世界は、結局ジェニーで始まってジェニーで終わるのか。メンヘラージェニーがいたから、スタイリッシュなだけじゃなくて、「ああ、こういう子いるいる」と思わせてくれる面もあって良かった。
物議を醸した最終シーズン、もしかして『Lの世界』自体が全部ジェニーの妄想だったりしたらどうしよう!と、ドラえもんの世界が全て植物人間のび太の夢だった説のようなことを思い浮かべるくらいに錯乱してしまいましたが。後味悪かった。
でも、シーズン6には待望のアジア人も登場。よくもまぁこんなにタイプの違う魅力的な女優を次から次から放り込むわよね。
終わってしまって、本当に悲しいです。



★そして、映画版『SATC2』
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憧れのセレブレズビアン、シンシア・ニクソンになりたくて

2丁目から目と鼻の先にあるバルト9で見たせいかしら。ゲイメンがたくさん見に来てらしたわ。ゲイでSATCを一緒に見に行けるカップルって、ノンケカップルでよく言う「焼肉を一緒に食べられるカップル」みたいなレベルなんじゃないかしら?と、ふと思いました。
そんなことより、前列の女の頭上に大きなお団子が乗っかっていて、何度それを掴んで投げたくなったことか。同性婚と一緒に、映画館は団子ヘア禁止の法律を作って欲しいわ。
映画は、ゲイウェディングに始まり、まさかのレズ落ちもあって、単純に面白かった。ハッピーに続くところは『Lの世界』と違って良いですね。



★そして、問題の『スナナレ』
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一番人気えりこ様

瑠可の幻影と筋肉乙女だけを目当てに見続けたものの、途中からゲイ要素が盛り込まれたかと思ったら、さっさと自殺の展開。
日本のテレビドラマにゲイウェディングまでの高望みはしないけれど、自殺させることはないじゃない・・・。まだそんな時代なの?
そして、一番言いたいのは、

私の瑠可を返してよ!

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しつこくてごめんなさい

ということで、ドラマちゃんぽん感想記でした。
posted by bianca at 01:10 | Comment(6) | TrackBack(0) | 映画・小説感想