2013年08月27日

エスの文學世界

ごきげんよう、お姉さま。
まだまだお暑うございますわね。

先日びあんかは表参道にある同性愛文化喫茶「噂話」にて行われた「エスの文學世界」という催しに行って参りましたの。

エスの文學世界
〜乙女派文筆家・嶽本野ばら氏とふりかえる、百合咲きそめし頃〜


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当時の女学生が実際に寄せ合った書簡の紹介・朗読からはじまり、牧村朝子お姉さま(ずっと年下)のテンポの良い司会と嶽本野ばらお兄さま(年齢不詳)のマイペースな語りでイベントは進行されました。

乙女言葉は本当に美しい。しかしその乙女言葉も当時は今の女子高生の流行言葉だったとイベントでも話されていたように、昔の乙女言葉は美しかったのにと嘆くのは懐古主義に過ぎないのかもしれません。それでもエスの世界を表現する乙女言葉に痺れてしまいます。

秘めやかで閉ざされた「あなたとわたし」のエス世界が文學として花ひらき、それを愛でる解説だけに終わらず、実在のレズビアンから現在へとリンクさせて語っていく構成が面白かったです。
嫁ぐことを定められていた当時の女学生が自分たちのエス関係を壊されることを恐れ、その想いを残した儚く美しい文章や文學世界を現代の私たちが愛でることはしても、現在のレズビアンが当時のエス世界に先祖返りして少女同士の心中が繰り返されるようなことが実際にはあって欲しくない。ただその根底にある普遍的な言葉にならない感情は言葉でしか語ることができないので、それは形を変えて語り継がれていくんだろうなと思いました。

形を変えてと言えば、近年野ばらさんはAKBやアニメけいおん!にハマってから往年のファンが大量に去ったと話されていたけれど、それらを語るエス的な視点はお変わりないのではないかと。

また実在したカップル、日本以外のエス文化(アフリカ!)なども紹介されたりと、2時間があっという間でした。まきむぅ、よく調べてらっしゃる。

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添い遂げられたのは一番上のカップルだけ、とまきむぅ解説

今回のイベント、個人的にはロリータ服で来ていた女子(“女子”という言葉を大人の世界にもちこんだのは野ばらさんらしい)が思ったより少なかったのがちょっと残念でした。

そして最後に同行した彼女の感想を。




エスの説明、そこからですか!?


お姉さま、嗚呼お姉さま、お姉さま・・・
雑なエス川柳で〆させていただきます。
posted by bianca at 01:06 | Comment(291) | TrackBack(0) | イベント

2013年08月18日

同性婚ができるようになったフランスでBL好きパリジェンヌにインタビューしてみました。

もう先月のことになりますが、パリで行われた世界最大と言われる日本文化の展示会『ジャパンエキスポ』に出稼ぎに行ってたときのこと。

このイベントは日本文化と言ってもアニメやゲーム、コスプレなどオタクと言われるカルチャーが中心で、20万人以上の来場者の90%以上がフランスやその周辺諸国からのヨーロッパの方々。日本人はあまりいないのですね。

そこで驚いたのは、やはりBLブースの賑わい。ボーイズラブ大人気!百合ブースもあるにはあるのですが、規模と数が違いました(少し敗北感)。

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腐ジェンヌさんたちの熱気に包まれていたBLブース

会場で現地の友人に会う機会が少しあったので、パリの腐女子たちパワーあるね!なんて話しをしていたときにふと疑問がわきました。

フランスは大規模なプライドパレードもあるし、先日同性婚も可能になった国。
「禁断」というスパイスがなくなったら、BLの魅力は減ったりしないのかしら?

それをフランス人の友人に話したところ「インタビューしてみようよ!」と明るく言われ、「えっ!?ここで熱心にマンガ選んでるパリジェンヌたちに?それ、失礼じゃない??」と言うと、「なんで?日本から来た人が話を聞きたいって言ったら快く答えてくれるよ!」と尻込みしている私を引っ張って彼女たちに声をかけ通訳してくれたところ、本当に快く答えてくれました・・・。

インタビューに直接答えてくれたのは23才の女性2人組。黒のゴシック系コスプレをしているためか実年齢より大人っぽく見える美しきパリジェンヌ。後ろで面白そうに話を聞いている女性や男性もいました。

・BLの魅力は?百合には興味ない?
「私たちは男性が好きだから、かっこいい男性が2人も登場して恋愛するのが良いよね。百合は興味ない、なぜなら私たちは男性が好きだから!」

・BLを好きになったきっかけは?
「インターネットで日本のBLマンガを見つけてハマった。ずっとネットで読んでたけど、今はこうやって書籍としてフランスでも発売されているからとてもうれしい!」

・同性婚ができるようになったことについてどう思う?
「すごく良いこと!なぜなら私たちには実際ゲイの友達がたくさんいるから。彼らが幸せになって本当にうれしい。禁断とかタブーという面がなくなるのはBLの面白さに関係ない。男女の恋愛マンガだってそうでしょう?」

・BL好きなことは後ろめたい?
「なんで?みんな堂々と読んでるし、実家のリビングにマンガ置いてるよ。同性かどうかではなく、性描写があるかどうかについては家族の目がちょっと気になるけど(笑)」


短くまとめると、こんな感じでした。
日本では腐女子に「百合(や男女もの)も好き」と言わなくてはならないような風潮があると聞いたことがあったので、堂々と「興味ない、男が好きだから!」と言い切るパリジェンヌすごいと思いました(もちろん男好きでも百合好き、女好きでもBL好きな人もいると思いますが)。実際身近にゲイ友だちが多くいて、同性婚ができる国でもBL好き女子はたくさん存在するのですね。インタビューした女性たちの意見がすべてではないですが、面白い話しを聞かせてもらったなと思います。

ちなみに通訳してくれたフランスの友人はレズビアンで今度同性婚する予定。
おめでとう!いいな!!!
しかもお相手は日本人でカムアウトしているタレントのまきむぅこと牧村朝子さん。

いいな!!!末永くお幸せにねーーーー!



posted by bianca at 23:44 | Comment(3) | TrackBack(0) | オタク的な