「ねぇ、今の話、面白かった?ニューハーフは面白くないと処刑されちゃうから!」
夜の仕事をしていた頃の後遺症だと思いますが、いつか彼女がこの強迫観念から解放されればいいなとよく思います。
可愛いだけじゃダメなんです
S江ほどではないにしても、私も少なからず「面白くなくては」というプレッシャーがあります。
これはまず幼い頃、寝る前に弟から「おねえちゃん、なにか面白い話して」と言われていて、母からも頼まれたことから、常に「今夜はどんな面白いお話をして寝かしつけよう」と考えていました。
結果、弟には子供への反則ワードを使った「ウサギのうん子ちゃん」の物語をしていました。子供は「ウサギのうん子ちゃん」さえ登場すれば大笑いです。
しかし弟の手が離れ、学生になってからは、なぜか女友達から「ねぇ〜なんか面白い話してぇ〜」と言われることが多くありました。
今思うと、こういうこと言う女子って何なんですか?
貴女は殿様ですか?
でも私はけっこう真面目に面白い話をしようと頑張っていたように思います。
それで、それなりに私は「面白い人」と思われていたようにも思います。
ドSとつきあった当初、彼女はよく私に電話をかけてきました。
今でも、出社直前、昼休み、退社直後には必ず電話をかけてきますが。
つきあい当初はあまりに頻繁にかけてくる電話に私はどんな面白い話をしていいのかわからず泣きたくなるときが多くありました。
というのも、ドSは電話をかけてきても、特に何も話さないのです。
私が話すしかない。でも、毎日3回も話すことなんてないじゃない?
あるとき、そんな自分の気持ちを正直に話しました。もう、疲れたわと。
そうしたら彼女は言いました。
私は面白い話なんて期待していない、あなたの安否確認をしているだけだ。
安否確認・・・。
彼女にも面白い話をしなければ、と思い込んでいたプレッシャーからそのときやっと解放されました。
他人の期待に応えようと自分が頑張るほど他人は自分に期待してないものかもしれません。
もしくはその期待は全く的外れの場合も多くあるのかもしれませんね。
★愛とは、互いに見つめ合うことではなく、ふたりが同じ方向を見つめることである・・・続きを読む