お隣中国でも、日本の“男の娘”を“偽娘”と呼んで漫画ファンなどには静かな人気があり、ここにきて国民的オーディション番組『快楽男声』に“偽娘”が出場、一躍人気者になったそうです。
『快楽男声』は、私が夢中だった『超級女声』の男版。超級女声のときはボーイッシュな女性がブームだったので、今回は逆の現象?
と思ったけれど、どうやらちょっと違うみたい。
今回人気が出た“偽娘”と呼ばれる19才の劉著は、明確にトランスジェンダーを自認しているようです。
自分の心が女性であること、性的指向は男性に向いていること、以前両親にカウンセリングに連れていかれたことなどを赤裸々に答えています。
『快楽男声』で勝ち抜き続けている劉著
日本のようにニューハーフタレントもいないし、そうしたバーも(少なくとも公には)無い中国で、トラスジェンダーの子が素人番組に出てきたのは、本当にすごいことだと思う。
中国の大学は基本全寮制なので、劉著も男子寮で7人の同級生と同室で生活をしてるらしい。ドラマの世界なら、イケメン♂パラダイス?!なんて思ってしまうけれど、実際そんな生活に耐えられるものかしら。彼女は着替えるときは必ずベッドでカーテンを閉めて着替え、化粧をしているそうです。
大学は彼女を女子寮に入れてあげれば良いのに、、、と思いますが、性別適合手術もホルモン治療も一切受けていないという彼女には難しいのかしら。
彼女は手術を受けるつもりは無いと言っています。
この身体で生まれたこと、結婚ができないこと、子供が生めないことは自分の運命だと思っていて、その代わりに他の事で自分は恵まれてると信じている。私の悩みなど小さくて、人生は素晴らしいことがいっぱいある、とすごく前向き。
これには両親や周りがそのままの彼女を受け入れてくれているからなんだろうな、と思います。
彼女も「両親は私を愛してるから、私が幸せであることを一番に望んでいる、だから今の私を否定しない」と言っています。
もちろん日本のように法律で性別も変更できるようになって、自分の望む性で生きられたらば、彼女にとってもっと楽に生きられるのかもしれないけれども、運命を受け入れてその中でも精一杯楽しく生きる彼女の姿勢には共感します。
自分や周りを変える努力も大切だけれど、人生全てが思い通りにいくわけがない。これも運命だと折り合いをつけて幸せに生きる方法もあると思うのです。
そうそう、ちょっと気になることは、劉著を支持する人たちが口を揃えて
「劉著は心が女性なのだから、男性を好きになるのは正常」
と擁護すること。
うーーーー・・・・ん。やはりトランスジェンダーの方が同性愛より受け入れられやすいのかしら。
■劉著のオーディション風景
歌手として肝心な歌はどうでしょうか?→YouTubeはコチラ
審査員から「男じゃないでしょ?身分証出しなさいよ!」と何度も歌を中断させられてますわ。
■劉著ファンの性別と性的指向調査
彼女のファンはどんな人が多いのでしょうか?
ネットで調査していました。今のところこんな感じ↓
圧倒的に男性異性愛者が多いのですね。
まぁ、これも「正常」なのでしょう。
彼女が中国のトランスジェンダーの歴史を大きく変える存在になるのではないかと期待です。